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糖尿病のいま

11月14日は「ワールドダイアベティスデイ(世界糖尿病デー)」です。
糖尿病のこと、考えてみませんか?

健康診断などの結果のなかで、皆さんが最初に確認するのはどの項目でしょうか?
「血糖値」や「ヘモグロビンA1c」など「糖尿病」に関連する項目を確認される方も多いのではないかと思います。
現在、日本における「糖尿病が強く疑われる人」と「糖尿病の可能性を否定できない人(糖尿病予備群)」の合計は約2,000 万人1)と推計されており、これは日本の人口の6人に1人に該当する数値です2)

糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や、その作用が低下することで血糖値が十分に抑えられず、高血糖が続く病気です。自己免疫疾患などが原因でインスリンがほとんど出なくなる1型糖尿病、遺伝的な要因に食べ過ぎや運動不足などの環境因子が重なり、インスリンの働きが低下する2型糖尿病のほか、その他の特定の疾患や機序によるもの、妊娠糖尿病(妊娠中に初めて認識される糖代謝異常)などがありますが、大部分は2型糖尿病が占めています2,3)

糖尿病は、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などを発症したり、網膜症、腎症、神経障害を起こしたりすることで失明や透析につながる病気であるため、予防や早期発見、早期治療がとても重要になります。しかし、初期には症状がほとんどなく、いつの間にか進行していることもあるため注意が必要です2)

こうしたことから、11月14日を「ワールドダイアベティスデイ(世界糖尿病デー)」に定め、世界各地で糖尿病の予防と治療を啓発する取り組みが行われています。日本でも「ワールドダイアベティスデイ(世界糖尿病デー)4)」のシンボルマークであるブルーサークルの青にちなんで、建物をブルーにライトアップするなど、各地で糖尿病へのさまざまな啓発活動が行われています。

さて、あなたのお住いの地域ではどんな建物がライトアップされていましたか?

ライトアップは短期間だけかもしれませんが、糖尿病の予防や早期治療がとても重要なことは心に留め置いてください。

*11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日で、その功績に敬意を表してこの日に定められました。また国内において、世界糖尿病デーは、2024年度より、英語表記「World Diabetes Day(ワールドダイアベティスデイ/略称:WDD)」に変更されています。

青い光でライトアップされた東京タワーを背景に、2人の女性が楽しそうに話しながらタワーを指差しているイラスト。夜空には丸い星が輝いており、建物の明かりがタワーを照らしています。

3つのポイント

  • 糖尿病にはいくつかのタイプがあり、大部分を占めるのが2型糖尿病

  • 糖尿病は初期には症状がほとんどなく、いつの間にか進行していることもある

  • 11月14日を「ワールドダイアベティスデイ(世界糖尿病デー)」に定め、世界各地で糖尿病の予防と治療を啓発する取り組みが行われている

出典

  1. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h28-houkoku.html
  2. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-048.html
  3. https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=94
  4. https://www.wddj.jp/pdf/2024/WDDPR20240712.pdf

参照

(すべて2024年8月閲覧)

監修 日本赤十字社 京都第一赤十字病院 総合内科 部長

尾本篤志

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