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花粉症の季節がやってきます

春はスギやヒノキ花粉の飛散がピークを迎えます。
早めの準備を始めましょう。

冬が終わり、暖かくなってくると色々なところに出かけたくなってきますよね。でも「またこの季節が来たよ・・」と憂鬱になられる方も多いかもしれません。花粉の飛散時期は、地域により前後しますが、スギやヒノキの花粉は主に2月から4月にかけて飛散のピークを迎えます。日本では花粉症を持つ人が増えており、その割合は1998年は19.6%でしたが、2019年には42.5%と約20年前と比較して花粉症を持つ人の割合が2倍以上になりました*1)

花粉症の季節に先がけてその年の飛散予測が発表されますが、これはスギやヒノキの花芽の発育状況に関するデータ、気象データなどをもとにして、いくつかの民間事業者が予測をおこないます。実際の花粉の飛散量はダーラム法(ワセリンを塗ったスライドガラスを屋外に24時間放置し、付着している花粉の数を顕微鏡を使って数える方法)などで確認し、飛散開始日の確認や、その日の飛散情報の提供に役立てています。花粉の飛散予測や飛散情報は、各事業者のサイトで知ることができます(気象庁「主な花粉飛散予測実施事業者一覧」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/kafun.html)。

顔にフィットしたマスクやメガネで花粉を避ける女性のイラスト。家の中に花粉を持ち込まないようにコートについた花粉を払っている。

花粉症対策としては、顔にフィットしたマスクやメガネなどで花粉を避ける、屋外に洗濯物を干さない、帰宅時には花粉を払い家のなかに持ち込まないなど日常生活での工夫が必要です2)。毎年花粉症の症状が出る方は、飛散開始時期や症状がごく軽いときからお薬の使用を開始することで、症状を抑えられたとの報告があります2,3,4)ので、本格的な花粉飛散開始前までには、医療機関を受診するなどの準備も心掛けてください。

治療薬には内服薬のほか、点鼻薬・点眼薬などがあります。最近では、目のまわり((まぶた))に塗るクリームタイプの塗り薬も登場しており、点眼薬が苦手な方には良いかもしれませんね。治療薬については、医療機関で相談してご自分にあったタイプのものを使い分けるとよいでしょう。

*全国の耳鼻咽喉科の医師とその家族を対象としたアンケート調査で、1998年は4,035人、2019年は4,749人からの回答を元に算出されています。

3つのポイント

  • 日本では約20年前と比較して花粉症を持つ人の割合が2倍以上に

  • メガネやマスクなどで花粉を避ける、花粉を家のなかに持ち込まない対策を

  • 本格的な花粉飛散開始前までには、医療機関を受診するなど、準備を心掛けることが症状を抑えるコツ

出典

  1. https://www.env.go.jp/content/000194676.pdf

参照

(すべて2024年11月閲覧)

監修 日本赤十字社 京都第一赤十字病院 総合内科 部長

尾本篤志

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