睡眠時間、しっかりとれていますか?
1日に必要な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか?必要な睡眠時間とからだへの影響を知っておきましょう。
「あ~今日はよく眠れたな~」なんて、朝の目覚めが良いと気分もよくなりますよね。適正な睡眠時間には個人差がありますが、成人の場合6〜8時間が目安とされています1)。また、必要な睡眠時間は年齢によって変化しますが、季節によっても異なります。冬場は夏に比べると睡眠時間が10〜40分程度長くなります。これは日の出から日没までの時間(日長時間)が短いことが影響していると考えられています。逆に夏場は日長時間が長いことや高温・多湿な寝室環境も重なりほかの季節よりも短くなる傾向があります2,3)。

睡眠には、心とからだの疲労を回復するはたらきがあります。睡眠不足や睡眠の質の悪化は、生活だけでなく健康にも影響をおよぼすため、「良い睡眠」をとることはとても大切です。たとえば睡眠時間が7時間前後の人では、生活習慣病やうつ病を発症するリスクが低くなることがわかっていますが1)、厚生労働省の調査では十分な睡眠時間がとれている人の割合は半数程度(54.5%)と1)、十分な睡眠を確保することの難しさも感じられます。
このようなデータを見るにつけ、●●時間は寝なければ!と休日に「寝だめ」で取り戻そうと思う方もいるかもしれませんが、残念ながら実際には睡眠をためることは難しいようです3)。適正な睡眠時間には個人差があることも踏まえ、睡眠休養感があり、昼間に強い眠気が生じないのであれば、それが適切な睡眠時間の目安にもなります1)。
1日は24時間、睡眠時間が6~8時間と考えれば人生のおよそ1/3は眠っていることになります。自然に目が覚め、気持ちよく朝が迎えられるよう、規則正しい生活や運動といった生活習慣、そして寝衣や寝具などの睡眠環境を整えることを見直してみるのも大事なことですね。さて、今日一日も色んな事があったかもしれませんが、寝る前には楽しいことだけ考えて、眠りについてみませんか、いい夢を見るために。

3つのポイント
- ●
成人では一日6〜8時間が適正な睡眠時間
- ●
必要な睡眠時間には個人差がある
- ●
睡眠時間は年齢、季節によっても異なる
出典
-
1)厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023(令和6年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf -
2)Suzuki M, et al. PLoS One 14: e0215345, 2019.
-
3)Li L, et al. Front Digit Health 3: 677043, 2021.
(すべて2024年8月閲覧)
監修 日本赤十字社 京都第一赤十字病院 総合内科 部長
尾本篤志
【睡眠に関するさらに詳しい情報はコチラ】
田辺三菱製薬. スイミン.ネット
https://www.suimin.net/