病気のこと

早期発見で合併症を防ぐー糖尿病ー

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、将来的に深刻な合併症を引き起こすことがあります。
合併症の予防のためにも、糖尿病の早期発見について知っておきましょう。

糖尿病とは、血液中を流れるブドウ糖の濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。
血糖値が高い状態が続くと、血管が傷つき、将来的には心臓や脳などの血管の病気、失明、腎臓の病気による透析、神経障害による足の切断など、様々な合併症が引き起こされることがあります1)
これらの合併症が起こるのを防いだり、その進行を抑えたりするためには、糖尿病を早い時期に見つけて血糖値を管理することが重要です。

しかし、糖尿病は「サイレント・キラー」とも呼ばれるように、初期の段階では症状がないことも多く、糖尿病になっていても気づけないことがあります。
糖尿病を早期に発見する最も身近な方法は健康診断です。健康診断は定期的に受け、糖尿病の疑いを指摘された場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

なお、次のうち、どれか1つでも満たした方は、糖尿病の疑いがあります*2)3)

  • 空腹時血糖値(10時間以上絶食後の、早朝空腹時の血糖値)126mg/dL以上
  • 食事の時間に関係なく測定された血糖値200mg/dL以上
  • HbA1cヘモグロビンエーワンシー 6.5%以上

*糖尿病疑いには他の基準もあります。

糖尿病の疑いが、同じ日または別の日に2つ確認されるなど一定の条件を満たして初めて、糖尿病と診断されます2)

定期的な健康診断を受けた男性が、血液検査の結果、糖尿病の疑いありとの指摘を受けたため、医療機関に早めの受診をしようとする様子を描いたイラスト。

合併症を引き起こさないために、血糖値をきちんと管理することが大切です。ご自身の変わらない日常生活を守るためにも、定期的な健康診断によって糖尿病を早期に見つける、そして早めに受診することが大切ですね。

3つのポイント

  • 血糖値が高い状態が続くと全身にさまざまな合併症が引き起こされる

  • 合併症を防ぐためには、糖尿病を早い時期に見つけることが重要

  • 糖尿病を見つける最も身近な方法は健康診断

出典

  1. https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/020/02.html
  2. https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/030/010/01.html
  3. https://dmic.jihs.go.jp/general/infomation/030/info_06.html

参照

(すべて2025年6月閲覧)

監修 日本赤十字社 京都第一赤十字病院 総合内科 部長

尾本篤志

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