同じ症状の人への譲渡
Q
同じ症状の人にくすりをあげてもいいですか?
A
医療機関であなたに処方されたくすりをほかの人が使っても、同じような効果が得られるわけではありません。それどころか、副作用が出てしまうこともあります。症状が同じだったとしても、絶対にほかの人にくすりをあげないでください。
参照
-
日本製薬工業協会. くすりの情報Q&A
-
厚生労働省, 日本薬剤師会. 知っておきたい薬の知識(令和6年10月)
(すべて2024年10月閲覧)
身近な症状の一つである「お腹が痛い(腹痛)」を例に考えてみよう!
「お腹が痛い」といっても、痛みの場所や原因はさまざまです。「胃が痛い」場合、原因として「胃炎」、「胃潰瘍」、またはたんなる「食べ過ぎ」なども考えられます。「腸が痛い」場合、原因として「便秘」、「下痢」、さらには「虫垂炎」や「腸閉塞」などの緊急性の高い病気のこともあります。このように、「おなかが痛い」という症状一つでも、その原因はさまざまで同じ病気とは限りません。
原因が違うと、使うくすりも異なります。同じ症状でも病気によっては使ってはいけないくすりもあります。病院で処方されたくすりは「あなた専用のもの」であるということを、忘れないでください。

参照
-
宮田直輝. medicina 59: 1664-1667, 2022.
-
葛生健人ほか. medicina 59: 1668-1671, 2022.
監修:昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門・
臨床薬学講座 臨床栄養代謝学部門
客員教授 倉田なおみ
ほかにもくすりの疑問を解決したい方はコチラ
解説
同じような症状だったとしても、同じ病気が原因とは限りません。また、医療機関で処方されるくすりは、医師が患者さんの病気、症状、体質、年齢、体重、すでに飲んでいるくすりがあれば、そのくすりとの飲み合わせなどを考えて処方した、その人専用のものです。処方された人以外が使用することはできません。